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2019.12.16掲載 社説「時々刻々」
SDGs理念の周知へ 旗振り役の県に期待
論説委員 寺前 伊平
地球規模で17の持続可能な開発目標「SDGs」(エス・ディー・ジース)の理念を掲げ、「誰一人取り残されない」社会の実現を目指した「2030年アジェンダ」が国連サミットで採択されたのは、平成27(2015)年9月。それから4年が経った。奈良県では、まだ取り組むべき行動計画が見えてきていない。
そんな中、生駒市、三郷町、広陵町、十津川村の4市町村がSDGs未来都市に選定。生駒市に至っては来年4月から現環境モデル都市推進課から「SDGs推進課」に課名を変更して、本格的に動き始めようとしている。
12月県議会でも、SDGsについての具体的な質問が出された。荒井正吾知事は「今後、SDGsの理念を企業や県民に周知しての取り組みが大事」とする答弁にとどまった。
ただ、神奈川県のように昨年6月、国の「SDGs未来都市」と「自治体SDGsモデル事業」の両方で、都道府県として唯一選定された先進地の例もある。「かながわSDGs取組方針」を出し、県民、すべての機関が一体となった推進事業を展開中だ。
団体では、公益社団法人・日本青年会議所(JC)がSDGsの理念に沿い、この1年間で総事業費9億円以上をかけて3000以上の事業を手掛けてきている。そう考えると、奈良県の遅れをとった感は否めない。SDGsの旗振り役、率先しての推進役、市町村・企業・団体、県民への後押し役は、県が要となってやることだろう。SDGsの理念からすると、例えば女性や若者の活躍推進の施策をしっかり果たすこと、中小企業・小規模事業者にも取り組みを広げるための支援策強化は言うまでもない。
さらには、2020年度から全面実施される新学習指導要領に明記の「持続可能な社会の担い手」にSDGsの理念が反映されることから、児童・生徒の学習機会の確保が必須。
SDGs運動を普及させるための17色の「カラーホイール」のバッジが背広などに着用され、徐々に目立つようになった。まずSDGsを啓蒙していくためのバッジ着用を推進していくことである。
奈良県産のヒノキを使ったSDGsバッジも出始めており、県は新年度当初予算の中で、SDGs推進に反映する予算構築に、ぜひ知恵を絞ってほしい。
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SDGs理念の周知へ 旗振り役の県に期待
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そんな中、生駒市、三郷町、広陵町、十津川村の4市町村がSDGs未来都市に選定。生駒市に至っては来年4月から現環境モデル都市推進課から「SDGs推進課」に課名を変更して、本格的に動き始めようとしている。
12月県議会でも、SDGsについての具体的な質問が出された。荒井正吾知事は「今後、SDGsの理念を企業や県民に周知しての取り組みが大事」とする答弁にとどまった。
ただ、神奈川県のように昨年6月、国の「SDGs未来都市」と「自治体SDGsモデル事業」の両方で、都道府県として唯一選定された先進地の例もある。「かながわSDGs取組方針」を出し、県民、すべての機関が一体となった推進事業を展開中だ。
団体では、公益社団法人・日本青年会議所(JC)がSDGsの理念に沿い、この1年間で総事業費9億円以上をかけて3000以上の事業を手掛けてきている。そう考えると、奈良県の遅れをとった感は否めない。SDGsの旗振り役、率先しての推進役、市町村・企業・団体、県民への後押し役は、県が要となってやることだろう。SDGsの理念からすると、例えば女性や若者の活躍推進の施策をしっかり果たすこと、中小企業・小規模事業者にも取り組みを広げるための支援策強化は言うまでもない。
さらには、2020年度から全面実施される新学習指導要領に明記の「持続可能な社会の担い手」にSDGsの理念が反映されることから、児童・生徒の学習機会の確保が必須。
SDGs運動を普及させるための17色の「カラーホイール」のバッジが背広などに着用され、徐々に目立つようになった。まずSDGsを啓蒙していくためのバッジ着用を推進していくことである。
奈良県産のヒノキを使ったSDGsバッジも出始めており、県は新年度当初予算の中で、SDGs推進に反映する予算構築に、ぜひ知恵を絞ってほしい。