2026.1.12掲載 コラム「而今」
新年の言葉は例年通り勇ましい。力強い発信は目を引くが、現実の数字や国民生活との接点は別だ。高市早苗首相は年頭会見で「責任ある積極財政」を掲げ、公債依存度を下げながら、危機管理投資に10兆円超を投じると語った▼果たして財源の不安はないのか。暫定税率廃止で年間1兆円が減り、教育無償化で3・6兆円増える。国民の暮らしに影響する現実の前では、投資と成長の好循環という理屈だけでは幅広い理解は難しそうだ▼リニア新幹線の総工費は7兆円から11兆円に膨らんでいる。4兆円の増額分は「投資」と呼べるものか。名古屋以西の着工は見通せず、静岡工区も停滞。それでも政府は「一日も早い全線開業」を繰り返す▼「責任ある」という言葉は重い。借金だけが積み上がる現状では心もとない。計画や政策は勢いよく進んでいるが、今後の国民の暮らしへの影響はどうか▼丙午(ひのえうま)は火の勢いが強まる年だという。計画の火が灯り広がることは歓迎だが、国民生活に過度な負担を伴わないように願いたい。 (佑)
