2025.4.28掲載 コラム「而今」
県内では例年より遅い見頃になった桜のシーズンが終わりを迎えた。今年から葛城市や五條市などで新たな桜のイベントも開催され、今後の盛り上がりに期待される▼桜は「万葉集」や「古今和歌集」にも登場し、昔から日本人に親しまれている。春の訪れを告げる特別な存在だが、特定外来生物「クビアカツヤカミキリ」の被害により、桜の名所に危機が迫っている▼県内でも令和元年に被害木が見つかり、その後、20市町村で成虫や被害木が確認されている。細菌のように感染して枯らすものではなく、虫が木を食べることにより樹木の衰弱や枯死につながる。そのため、県も成虫を見つけた場合は捕殺を呼び掛けている▼県内では、県産材を守ろうと新たな価値創出に取り組む自治体や、絶滅の危機に瀕する生物の保護・育成をする団体などが活動している▼新たな桜のイベントが生まれ多くの人が訪れる中で、そういった「守る」活動をする人たちと連携し、現状をしっかり周知する取り組みも必要になっているのではないだろうか。 (梅)