奈良県内の政治経済情報を深掘

2025.3.24掲載  コラム「而今」
 価格が高騰している米は、寒いところでは育たないとされてきた。日本人が農耕民族となったと考えられている弥生時代、青森県弘前市の砂沢遺跡周辺で水田跡や畔跡が確認されている。これが農耕の黎明期の「最北限」とされてきた▼現代の日本の水稲の最北限は北海道の遠別町。ここは世界の北限ともされてきたが、それより北でも広がりつつあり、スイスやハンガリーの一部でも成功。リゾットの米として使われているようだ▼限界のラインは変化する。先述の米の北限の突破は、気候変動も一因だが、先人らの弛まぬ研究と品種改良の努力で実現した。一方で政治の常識ラインは年々、お粗末になっていると感じざるを得ない▼石破茂首相が1年生議員に10万円の商品券を配って批判を浴びている。奈良の山下真知事もK―POPコンサートを含んだ当初予算案を委員会で否決され「減額したのに」とお怒り。世論は開催することに怒っているのだが…▼既成概念を打ち破るライン突破は歓迎するところだが、破ってはいけない常識があること、わからないものか。     (染)
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