2024.11.25掲載 コラム「而今」
和歌山県白浜町のアドベンチャーワールドで6日、「ドリームデイ・アット・ザ・ズー2024」が開催された。イベントは、施設を1日貸し切り、障害のある子どもとその家族を無料で招待するもので、私たち家族も初めて参加した▼自閉症と知的障害を持つ子どもを育てるわが家では、普段の外出は周囲の目を気にしてしまいがちだが、この日ばかりはその心配がいらなかった。子どもたちは制限なく動物たちと触れ合い、笑顔で駆け回った。家族皆が解放感に包まれ、普段では感じられない自由さを存分に味わった▼イベントの本質は「特別なとき」を「当たり前のとき」に変えること。障害の有無にかかわらず、共に生き、共に楽しむ社会の可能性を肌で感じた瞬間だった▼願うのは、娯楽施設やイベント会場が、誰もが気軽に楽しめる場所になること。そして、特性や属性にかかわらず、一人ひとりが社会の一員として尊重される世界になること▼こうした取り組みが社会に広がり、違いを違いとして受け入れ、互いを尊重し合える社会になることを期待している。(佑)