奈良県内の政治経済情報を深掘

2024.9.9掲載  コラム「而今」
 つい先日、日本を襲った台風10号は幸いにも途中で進路を変えたが、日本各地で被害を出した。また、気象庁によると今年は、統計を取り始めた明治31(1898)年以来、最も暑い夏だそうだ▼外国産材の安さに押され県産材の需要が減ったことで県内の製材業者や木こりが減少。間伐などの手入れが行われない放置された山が増えれば、大雨の際に土砂災害の可能性も高くなるという▼一方で、「一般の人が吉野産材を購入しようとしても購入する場所がない」。林業に関わりのある人たちへの取材が重なったこともあり、そういった内容の話をよく耳にする▼自分の力で小物や家具を作る昔ながらの「日曜大工」も、流行りに乗り「DIY」という〝外国産〟の言葉に取って変わられている。また、地元愛や郷土愛すらも「シビックプライド」と…▼こうした何でも横文字で表現することは、日本文化に被害を及ぼす〝人的災害〟とも感じる。日本の文化や歴史、奈良の良さを改めて知り、言葉を含めてそれらを守る「防災」の必要もあるのではないだろうか。(梅)
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