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2024.8.26掲載  コラム「而今」
 夏休み。多くの子どもたちにとって楽しみな季節だが、近年はその裏には見過ごされがちな問題が潜んでいるようだ▼夏休みになると、学校給食がないため、家庭での食事が重要になるが、経済的に厳しい家庭では、1日2食が限界という状況も少なくないという。特に、親が共働きやシングル家庭では、子どもたちが十分な栄養を摂ることが難しい▼また、夏休み中に行われるキャンプや旅行などの経験は、子どもの成長にとって非常に重要とされるが、経済的な理由で参加できない子どもたちは、経験格差が広がる一方だ。学びの機会や社会性の発達においても差が生じてしまう▼さらに、エアコンがない家庭も多く、特に、都市部のアパートや古い住宅では、エアコンが設置されていないことが一般的だという。子どもたちは暑さに耐えながら過ごさなければならず、健康面でもリスクが高まる▼「夏休み貧困」「経験格差」と呼ばれるこうした問題に対しわれわれは理解を深め、子どもたちが平等に楽しい夏休みを過ごせるよう、社会全体で取り組む必要がある。(佑)
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