2024.5.20掲載 コラム「而今」
通常、北極や南極で主に観測される、夜空に光のカーテンを広げる神秘的な現象「オーロラ」が日本各地で観測された。太陽の表面上で爆発が起きる大規模な「太陽フレア」が関係しているという▼国内では北海道で数年に1回現れるかどうかといわれるオーロラの登場に「オーロラが見えるなら何度でも太陽フレアが起こってほしい」と声も。しかし、これは本来「想定外」の現象▼太陽フレアは小規模なら問題ないが、規模が大きくなるとGPS異常や通信障害を引き起こし「文明進化型の災害」と位置付けられている。次のピークは来年とされているが国立研究開発法人「情報通信研究機構」は「年を限定せず、継続した警戒が必要」と注意を呼び掛けている▼昨今「想定外」といえば災害時によく聞く言葉になった。各自治体でSNSやドローンを活用した災害対策を整備。さらに広陵町や宇陀市などでは災害救助犬の出動体制も▼インターネットやスマートフォンが当たり前の現在、災害対策だけでなく通信機器が使えなくなった際の「想定」もしておく必要がある。(梅)