2024.1.15掲載 コラム「而今」
ドッカンぐらぐら―。これは兵庫県内の阪神・淡路大震災を経験した子どもたちの純粋な気持ちを綴った作品集のタイトルとなった言葉であり、自分の幼い記憶の中でも、この言葉のような衝撃を感じたのを今でも覚えている▼大きな揺れとともに家の食器棚からは多くの食器が飛び出し、その割れる音は子どもながらにとても恐怖を覚えた。大きな家具が倒れたりしていなかったものの、部屋はどこも歩ける状態ではない。それから少し時間が経って見たテレビには、よく知る神戸の街が変わり果てていた▼１日に発生した「令和６年能登半島地震」。石川県内で２００人以上の死亡が確認されたほか、重軽傷者は県内全体で少なくとも５６０人以上になっていると伝わる▼震災に関するニュースや現地の映像を見るたびに胸が苦しくなるとともに、幼い自分が経験した以上の揺れが襲ってきたのかと思うと、想像を絶する▼募金をはじめ県外からできる支援をしながら、当時の自分と同じ年の子を持つ親として、守るべき命や防災の準備について考えさせられる。（祐）