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2023.1.9掲載  コラム「而今」
 今年の干支(えと)・卯(うさぎ)は株式市場にとっては、縁起のいい年と言われてきた。ウサギの飛び跳ねる様からくる「飛躍」に因んでのことだが、明けてみると株価下落のスタート。中国、ロシアの動きからしても、景気減速に不安感は隠せない▼そんな中で、商売繁盛の神様「えべっさん」には「事業が上手くいきますように」とか「儲(もう)かりますように」といった切実な願掛けをした中小企業も多かったに違いない▼この30年間、支払う賃金が伸び悩み、従業員の高齢化や人手不足とコロナ禍が拍車をかけ、生産性の低下が深刻になってきている。いよいよ中小企業にも、SNSを活用できる若い力とIT化の導入が急務となってきた▼初期投資はいるものの、新たな商品開発などで生産性の向上につながり、利益を社員に還元できる。今までにない変革、手法こそが原材料価格上昇に直面している中小企業を救うことにも▼今月下旬から春闘がスタート。賃金全体を底上げするベースアップ(ベア)が景気の冷え込みを脱却する導火線となり得るか。      (寺)
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