奈良県内の政治経済情報を深掘

2022.8.8掲載  コラム「而今」
 新型コロナの県内感染者数が過去最高の1日当たり2000人を超える日があるなど、7度目の猛威を振るっている。政府はウイルスと共存しながら経済を動かしていく方針を明確化してきている▼新型コロナを指定感染症に基づく分類の「2類相当」から「5類相当」に引き下げる方向で国が調整に入っている。また感染者数の全数把握についても、有識者から廃止の提言がなされている▼大阪府では、重症化リスクの高い65歳以上の高齢者を対象に、不要不急の外出自粛を求めている。これについて高齢者から「不公平」などと不満の声がクローズアップされている。公平さとは何か、考えねばなるまい▼重症化した場合、保健所や医療機関への負担をかける可能性がある数的根拠やデータが明らかになっている。さらなる感染の広がりで重症化した高齢者が医療現場にあふれた場合、現役世代が大きな負担を強いられるのは「公平」とは言えない▼「不公平」との言葉を盾に自らを第一に考える現代。15日の終戦記念日を前に、この国が歩んできた道を振り返ることも必要か。  (包)
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