奈良県内の政治経済情報を深掘

2022.3.28掲載  コラム「而今」
 外出時、スマートフォンの充電が切れそうになると不安に駆られる。そうならぬよう車でも充電できるようにケーブルを接続しているし、ポータブル充電器も鞄にしのばせている。それほど公私共にスマホに依存している▼経済産業省は21日、東北地方で発生した地震による発電所の停止や、気温低下によって東京電力と東北電力の管内で大規模停電のおそれがあるとして史上初の「電力需給逼迫警報」を出した▼一時は200万から300万世帯で停電の可能性があったが、民間企業の自家発電などで供給力をカバーでき、瀬戸際で回避できた。しかし今後も電力需給のひっ迫が起こる可能性は高い▼冒頭のスマホしかり、パソコンしかり、進んだところでは電気自動車も。普段の生活だけでもわれわれは電気を使い続けている。自然との調和や安全性の高い発電システム、さらに国防の観点からの発電も考えねばならない▼「脱炭素」の美辞麗句だけでは生活は成り立たない。誰もが電気を使っている。安定した電力を安価に享受できる社会へ、再構築が必要だろう。 (包)
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