奈良県内の政治経済情報を深掘

2021.11.1掲載  コラム「而今」
 サンマの塩焼き、土瓶蒸しに湯豆腐もいい。秋も深まり、美味い食材と料理に誘われるよう、燗酒のとっくりが空いていく▼選挙中は財布のひもが固くなる傾向があると、経済アナリストは言うが、ようやく衆院総選挙も終わった。新型コロナも落ち着きを見せ、これから飲食店に本格的なにぎわいが戻ってきてほしい▼底に穴が空いていて指でその穴を塞いだり、風変りな形で飲み干さなければ置くことができない盃を「可盃(べくさかずき)」または「可杯(べくはい)」といい、土佐の座敷遊びで使用される▼この語源は「可」(すべし)という字が漢文では常に句の上に付くことから、下に置くことのできない盃を「可盃」としたそうだ。実に粋で洒落ている▼常に上と言えば、主権者たる国民有権者もそう。国民より上と勘違いした政治家は、この衆院選の各地で散ったと思いたい。日頃の成果なく、選挙の時だけ下に出るような政治家は勘弁▼可盃の遊びは確実に誰かが酔っぱらう。新しい衆院議員の皆さまには酔いしれることなく、仕事に励んでもらいたい。    (染)
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