奈良県内の政治経済情報を深掘

2021.3.8掲載  コラム「而今」
 新型コロナウイルス感染症対策で、県内の市町村でも、円滑なワクチン接種に向けたリハーサルなど準備が進みつつある▼コロナ禍の中、世間はほとんど動けない状況にもかかわらず、あっという間の1年が過ぎ去った感が強い。四季折々の花をじっくりと観賞する機会すら逃した気がする▼「花見」といえば、平安時代は梅の花のことを指した。五條市西吉野町の賀名生梅林、奈良市の月ケ瀬梅林、下市町の広橋梅林などは見ごろとなってはいるが、そろそろ桜開花も近づいている▼同時進行で、東大寺二月堂で1200年前から綿々とつづく修二会(お水取り)の本行が行われていることをつい忘れるほど、新型コロナの影響は大きい。火の粉をあげるお松明は、3密を避けるため拝観者数を制限する▼お水取りが済めば、めっきり春めいてくるとは、昔からの言い伝え。その時分には、感染者の数も激減して終息に向かうのだろうか▼とはいえ10年前の11日、テレビ画面から流れる津波の猛威ははっきりと目に焼き付いている。東日本大震災のあの記憶は失せない。      (寺)
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