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2020.12.21掲載  コラム「而今」
芸能ニュースで連日のように伝えられる男女の「密事」。この場合、「みつじ」とは読まず、「みそかごと」と読む▼道ならぬ恋をしている男性のことを「密男」と書いて、「まおとこ」「みそかお」の両方の言い方をする。逆バージョンの「密女」は「みそかめ」という読み方しかない▼時代劇によく出てきそうな呼び方だが、男女の秘めた気持ちを表現するには、なんとも粋な響きだ。「密心」(みそかごころ)からは、かなわぬ恋愛の熱い気持ちが自然と伝わってくる▼今年の流行語大賞「3密」、また1年の世相を漢字一字で表す、今年の漢字は「密」は「みそか」とは読まない。「みつ」だ。わが身にも迫ってくる響きを感じる▼新型コロナウイルス感染症が世界的にまん延する中、感染防止対策として「3密」が提唱され、国民の生活様式にも影響を与えている▼密にならないために、人は大都市集中の社会へ懸念を抱き、若者は田園回帰の流れを加速している。都会からずっと離れた山間地へ密(ひそ)かに移住してくる人も増えてきそうだ。 (寺)
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