奈良県内の政治経済情報を深掘

2020.6.22掲載  コラム「而今」
 じめじめとした汗ばむ季節に気を使い、香水や洗濯柔軟剤などの匂いで周囲を不快にさせてしまうことを「スメルハラスメント」というそうだ。過敏な世の中とも思える▼昨今、教育現場ではデジタル化に。児童、生徒にタブレットを用意し、そのカメラで撮影した画像を元に、植物や昆虫の名称を教えてくれる便利なものまである。新型コロナウイルスの影響を受け、教育現場の変化はますます加速していく▼これらは進化と評価できる一方、花の香り、カブトムシの独特の匂い、雨が来る前の立ち込めるような湿気と匂いなど、これらを感じる能力が退化していかないか。向かう先は進化か退化か―▼今号で報じた中国資本が、経営難にあえぐ観光産業に対するスポンサードやM&Aをしようとする動きは、まさに匂う手口。この匂いに対しては過敏に感じ取る能力を身につけなければならない▼子どもの教育がデジタル化で「無味無臭」にならぬよう、学校、家庭でたくさんの現場とリアルを教えなければならない。アナログの部分は捨ててはいけないはずだ。 (染)
menu
information