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2020.2.10掲載  コラム「而今」
 古典落語の「紙屑屋」は、家を勘当されたどうにもならない居候の男が、紙屑屋で奉公する噺。古紙を選り分ける作業中、歌本や恋文を読むことに夢中になって仕事に身が入らない。紙屑屋の旦那に「屑やな」と呆れられ、男は「へえ、屑は今選り分けております」▼立憲民主党の安住淳・国対委員長が国会内の同党の控室のドアに各新聞の記事(コラム)を張り出し、「くず」「出入り禁止」「ぎりぎりセーフ」などと自身の論評を書き込んだ▼まだまだ開花は早いが、桜、桜、桜の国会論戦。野党は連日これを追求し、高級すしがどうの、領収書がどうの、名簿がどうの―。山積する国難がある中、呆れる人の意見も聞く▼安住氏は「調子に乗ってしまった」と謝罪したというが、国民民主党の玉木雄一郎代表は「調子に乗りすぎていると、野党全体が国民から出入り禁止を受ける」と苦言▼そもそも出入りを許可していたかは別として、有権者は選挙で「屑は今選り分けております」とはっきりせねば。調子に乗りすぎましたかな。いやギリギリセーフか。 (染)
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