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2020.9.7掲載  社説「時々刻々」

安倍政治の正当評価を 衆愚政治からの脱却を図れ

論説委員長 田村 耕一

 安倍晋三首相(自民党総裁)の後任は、菅義偉官房長官が就任する見込みとなった。安倍施政を承継するには、長く安倍首相を支えてきた菅氏が相応しいと思える。
一方で。総裁選に出馬する岸田文雄政調会長と石破茂元幹事長を擁す国会議員の少なさに驚く。両氏は早くから総裁選出馬を狙い、公言していただけに、党内支持の低さに、その人気と実力を見る思いだ。
 とりわけ、石破氏は、ことあるごとに総裁選出馬を語っていたほか、安倍首相の施策を常態的に批判してきた。安倍首相嫌いの朝日、毎日などは、石破氏の言動を細かく伝え、焦点を当ててきただけに、今回の総裁選の流れは大いに不満であろう。
 そのためか、党員選挙をしないことが、密室政治の現れのように伝える。党員選挙をすれば、安倍批判を繰り返してきた石破氏が有利という見立てであるが、果たしてどうか。平成30(2018)年の前回の党員選挙においては、おおよそ安倍首相55%、石破氏45%となっており、必ずしも石破氏優位とは限らない。
 世論調査では、石破氏優位との報道があるが、一国の首相を人気投票で決めるような振る舞いはよくない。この種の調査で、一時、小泉環境相が常にトップであったが、最近は精彩を欠いている。
 要は、世界における日本の存在と繁栄に尽くしてくれる有為な人物が望まれるのである。その意味では、安倍首相の実績は素晴らしい。「アベノミクス」を主体とした経済政策、国民総活躍や防衛施策など、この間の成果は大きい。それを証明するかのように、米国トランプ、露国プーチン、独国メルケル、英国ジョンソン、更には中国習近平までもが安倍首相の実績と成果を誉めたてた。
 これら世界の安倍評価に対し、野党や多くの報道機関は、正当な評価をする目線と能力を欠いている。森友学園や加計学園をめぐる騒動に明け暮れ、コロナの発生事態にあっても桜々と大騒ぎ。果ては、国会の審議拒否にでる始末である。本来これを諫めるべきメディアも、これに追従し煽っていた責任は大きい。
 内外ともに多事多難な折、国のトップの足を引っ張ることはやめ、意義のある報道や議論を望む。菅氏は衆愚政治から脱却を図り、党是である憲法改正を目指してほしい。
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