奈良県内の政治経済情報を深掘

2024.6.17掲載  コラム「而今」
 親が働いていなくても子どもを保育所などに預けられる「こども誰でも通園制度」が、2026年度から全国で導入される。子どもを預けられない専業主婦(夫)らの負担軽減を目指す▼保育料の無償化や幼稚園の預かり保育など、サービスを受ける側の制度は年々充実する一方、保育園や幼稚園の負担は増すばかり。保育士不足が社会問題となっている中、新たな制度を導入して良いものか▼今月10日、鹿児島市の認定こども園で保育士の女が2歳の男の子の首を切りつけ殺人未遂の疑いで逮捕された。保育の現場は苛酷な状況があるとはいえ、大前提として、子どもに矛先を向けるのはあり得ない▼ただ、一部報道では昨年度に保育士ら10人が一斉に退職したと指摘されており、園の体制に問題がなかったかも調べられている▼今年1月に開かれた「奈良県・市町村長サミット」では、保育現場の受け入れ体制を整えるため保育士の処遇改善を優先する方針が示された。残虐な事件が再び起きぬよう、国や自治体は保育園や幼稚園側のフォローも急がれる。(佑)
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