奈良県内の政治経済情報を深掘

2024.3.25掲載  コラム「而今」
 関東一帯を治めた戦国の名家・後北条氏は豊臣秀吉によって滅亡させられた。その際、実権を掌握していたのが北条氏政。彼は愚将とされ、それを裏付ける逸話に「汁かけ飯」がある▼氏政は飯に汁をかけて食事をしていたが、汁が足りないと思い、もう一度継ぎ足した。これを見た先代の父、氏康は毎日の食事で、自身の分量も測れない愚息を嘆き、滅亡を覚悟したと伝わる▼奈良市の学校給食の栄養価(カロリー)が、文部科学省が定める基準値を満たせず、要は栄養不足に陥ちいっていることが明らかになった。物価高騰を背景に、調理法を工夫しようも予算的に厳しいというのが市の言い分▼市はこれまで新型コロナや物価高対策の国の補助金と活用し「給食費の無償化」を限定的に実施してきた。他市町村でもこれがトレンドだが、果たして役所の仕事の範疇かー▼給食費を払わない、クレームばかりで公に依存。こんな親の現状やそれに迎合する無償化は、国の行く末が心配になる。親と公の応分の負担で公の負担で子どもたちの成長に寄与する給食を。(染)
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