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2023.12.25掲載  コラム「而今」
 日本郵便は封書(25グラム以下の定型郵便)の料金を現行の84円から110円に値上げすることを予定している。行政手続きを経て値上げされれば30年ぶりの改定。はがきは63円から85円に値上げする予定▼年始のあいさつの年賀は、13年連続で減少しており、来年の当初発行枚数は14億4000枚で郵政民営化が最少。SNSでの新年のあいさつが定着した形だ。ほかにもペーパーレス化による普通郵便の減少も日本郵便の苦しさが生じる▼これらに加えて輸送の原油高。外資に乗っ取られた感も否めない保険の不振も、同社の運営悪化に拍車が掛かる。「You Say 民営化」と騒ぎ立てた郵政民営化とは、何だったのか―▼何万の往来がある公道と、過疎地に「ぽつん」とある家屋に続くだけの公道。どちらの道も公的に維持管理がされてきた。民営化後もほぼ変わらない郵便局数を堅持している日本郵便だが、地方銀行の現状は支店、出張所の閉鎖が相次いでいる▼日本郵便のこの値上げが「地方の切り捨て」にならないためのものであってほしいと切に願う。   (染)
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