奈良県内の政治経済情報を深掘

2023.12.18掲載  コラム「而今」
 毎度おなじみ、報道陣の「今年の漢字は?」の定型文質問に岸田文雄総理は「克」と答えた。「今、何よりも大事なのは物価高に打ち克つ賃上げだ」と力説した▼一方、今年の世相を表す漢字に「税」が選ばれると、X(旧ツイッター)上では、岸田首相を揶揄(やゆ)する「増税メガネ」が再びトレンド入りになった▼税をめぐっては、インボイス制度やふるさと納税のルール厳格化、酒税改正、新NISAなどが取り沙汰された。岸田政権が昨年末に決めた防衛増税に批判があったほか、物価高対策として所得税などの定額減税を打ち出すと、増税と減税を一緒に行うことの整合性も問われた▼今年は「税」の動向が注目された1年。しかし、年間1億超のキックバックとも指摘され、庶民感覚から乖離した自民党派閥の政治資金パーティーの問題が取り巻く中、勤労して納税する者の怒りは募るばかり▼納税者には「怒りを克服して納税せよ」ということか…。「克」ではなく「喝」の間違いではないか。眼鏡を掛け直してもう一度考えてもらいたい。    (佑)
menu
information