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2023.10.23掲載  コラム「而今」
 子どもを自宅や車内などに放置することを禁止する埼玉県虐待禁止条例改正案について、提出した自民党埼玉県議団は10日、改正案を取り下げることを決めた▼改正案は全国で相次ぐ置き去りによる子どもの死亡事故を受け、同県議団が4日、県議会に提出。6日の県議会福祉保健医療委員会で自民、公明両党県議団の賛成により可決され、13日の議会最終日に採決される予定だった▼内容は、小学3年生以下の子どもを自宅などに残しての外出や、公園などに放置したりすることなどを禁じるというものだが、ひとり親や共働き家庭で「現実的ではない」などと声が集まり、SNSなどを通じて注目された▼今回の埼玉の条例は努力義務にとどまっていれば、違う結果になっていたかもしれない。しかし、虐待にあたる要件が現実とかけ離れていたり、通報義務が盛り込まれていたりしたため、今回のような事態を招いた▼子どもを守るための議論は大いに必要。だが、その保護者たちを追い詰めるような内容だと意味がない。子どもと保護者の両方を支援する内容で議論を。      (佑)
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