奈良県内の政治経済情報を深掘

2023.10.16掲載  コラム「而今」
 サントリーウイスキーの「なにも足さない、なにも引かない」の名コピーは、熟成を時間の経過に任せる重厚さを感じさせる。やるべきことをやり余計なことはしない。仕事の流儀を体現している▼他社ではかつて「うまいもんはうまい」と、こちらも名コピーがあった。良い食材にもかかわらず、料理人が独りよがりに手を入れ過ぎ、残念な料理に仕上がるケースがある。焼いて塩だけで食べさせてくれ―▼小学3年生以下の子どもだけでの留守番や子どもだけでの公園の遊びなどを「虐待」と定義し、通報義務を課す埼玉県議の自民党県議団が提出した虐待禁止条例改正案は、反対の世論を受けて取り下げられた▼県庁には賛成を圧倒的に上回る反対の電話が相次ぎ、世を騒がした県議らは「説明不足だった」と釈明したが、子育て現場に対する認識不足の間違いではないか。独りよがりの余計なことをしたなんともお粗末な結果だ▼こんな議員にも公金が支出されている。これほど有権者の感覚と乖離した人物が住民の代表とは。ため息が出る…。なにも期待できない。 (染)
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