奈良県内の政治経済情報を深掘

2023.9.4掲載  コラム「而今」
 文部科学省が昨年10月に公表した調査結果では、全国での小中学校の「不登校」と判断された児童・生徒数は24万4940人で過去最高に上った。不登校児童・生徒数の増加は9年連続▼児童・生徒1000人あたりの不登校数も増加傾向で、県内では小・中学校で29・2人、高校で21・2人となっており、いずれも全国平均を上回るほか、小・中学校と高校の両方で上位10位に入っているのは、奈良県と宮城県のみ▼不登校の生徒数の増加を受け、通信制高校やサポート校の生徒数も全国的に増加傾向にある一方、県内で逆を行く動きも▼奈良市大宮町の通信制・単位制高校「長尾谷高校・奈良分室」が2年半後の閉校を決め、来年度の学生募集を停止する。閉校理由は「来年度に県立山辺高校に通信制課程が新設され、学生の確保が厳しくなった」としている▼少子化で全体の児童・生徒数は減っているものの、それに相反して増加する不登校数。学びの場と機会が与えられるよう、これらの子どもたちと向き合い、受け入れる社会であってほしいと切に願う。   (佑)
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