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2023.7.10掲載  コラム「而今」
 増税することが、はたして「将来に対して希望が持てること」なのだろうか▼6月30日、政府税制調査会(首相の諮問機関)は、中長期的な税制の在り方を岸田文雄首相に答申。悪化する財政状況を踏まえ、歳出に見合った十分な税収を確保することが重要とした。また、働き方が多様化する現状を踏まえ、給与や退職金、年金に関わる税制を一体で是正する必要があると強調した▼岸田首相は答申を受け「令和時代のあるべき税制の検討をさらに進め、将来世代が将来に希望が持てるような、公正で活力ある社会を実現していきたい」と述べた▼10月からスタートするインボイス制度により、売り上げ1000万円以下の事業者も、今後は消費税を納税する必要が出てくる。フリーランスや個人事業主のあとにサラリーマンを増税のターゲットにした今回の流れにも批判が集まっているようだ▼こうして、新たに徴収していく税金を何に使うのだろうか。そしてそれは本当に必要なことなのだろうか。「将来に希望が持てる」ようになる以前に、今に希望を持てない人は多い。  (佑)
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