奈良県内の政治経済情報を深掘

2023.6.19掲載  コラム「而今」
 給食費無償化や教育費の無償化は最近の選挙公約のトレンド。人口減少時代を迎える中、子どもたちへの投資は誰がやっていくべきことか。自治体、地方間の過度な競争を煽る政策には疑問も残る▼これらを公約にして当選した山下真知事が「ハード事業から県民のソフト事業へ」と、大規模広域防災拠点整備や大和平野中央都市構想を白紙に、公約実現への財源とする考えを示した▼子どもに教育を受けさせるのは親の義務。食を与えるのも親、保護者の義務だ。これらを県や市が果たしていくべきかどうかは、成熟した議論が必要▼公がこれらの責務を担うならば、自治体間で差異が生じるのではなく、この国に生まれた全ての子が無償で教育を受けることができ、無償で給食を食べることができるようにしなければならない。私立の教育機関も不要になる▼人口減少の時代に突入し、少子化の抜本的対策は国も見えぬまま。その弊害は地方へしわ寄せになり、本来は個が果たす責務すら自治体が担う方向へ。このまま、個々の納税も県が負担してくれる日が来るやも。   (染)
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