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2023.4.24掲載  コラム「而今」
 昨年7月に安倍晋三元首相が街頭演説中に銃撃されて亡くなった事件が起きてから9カ月ほどしか経っていない中で、またしても政治家の要人が襲われた。しかも、狙われたのは岸田文雄首相▼15日午前11時半ごろ、衆議院和歌山1区補選の選挙応援で和歌山市の雑賀崎(さいかざき) 漁港を訪れ、演説を始めようとした岸田首相に対して男が筒状の爆発物を投げつけ、聴衆やセキュリティーポリス(SP)に取り押さえられた直後に大きな爆発音と白煙が上がった▼今回の事件で、警察官1人と漁師の男性1人が軽いけがをしたという。幸い、死者や重傷者が出る大惨事にはならなかったが、これも結果論に過ぎない▼選挙期間中、各候補者はより多くの有権者に支持を訴えようと繁華街などに繰り出す。親近感を持ってもらうためにできるだけ距離を近くし、握手をして回ったり、聴衆の輪の中に入って演説を行ったりする。この距離の近さが、要人警護の難しさにつながってくる▼統一地方選が終わった今、選挙演説のスタイルを見直す時期かもしれない。      (佑)
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