奈良県内の政治経済情報を深掘

2023.4.10掲載  コラム「而今」
 濡れぬよう頭を手で覆いながらアパートを出て、集積所へ駆ける2人。若いカップルかはたまた夫婦か。片手で持てる小さな袋に詰め込んだごみを小雨降る中、2人で捨てに出ていた▼統一地方選の前半戦が終わった。政党戦が色濃くなる知事選、県議選は選挙期間中、他党の批判ばかりの候補も散見した。奈良の未来をどうするか。それよりも、相手を徹底的にたたく。そんな舌戦に嫌気も差す▼中央の国会では少子化、経済、国防をはじめ問題や課題が山積する中、「大臣を辞めろ」「これは圧力だ」などと野党のお粗末議員が叫びまくり、挙句はお家芸の〝ブーメラン〟で自爆していた▼おもしろいから、ネタでと、思考の停止した有権者に選ばれた、暴露系なる参院議員は現在は容疑者に転落。連日どうでもいいニュースで世間を騒がせている始末。目を覆いたくなる▼政治家に言いたい。初心には崇高な志があったはずだ。冒頭の2人は明るい未来のため、ごみを捨てることすら寄り添い、思いやる―。選挙後こそ未来のため、本気の議論を忘れないでもらいたい。      (染)
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