奈良県内の政治経済情報を深掘

2023.4.3掲載  コラム「而今」
 愛知県名古屋市で先月、2歳になる男の子の双子が窓から転落し、亡くなるという痛ましい事故があった。2人は窓の近くに置かれていた棚をよじ登り、誤って転落したと見られる▼消費者庁によると、窓を開けたり、ベランダに出る機会が増えたりする夏ごろから事故が増える傾向。ただ、一部の専門家からは春も窓を開ける機会が増え、危険性が高まるとしている▼こうした事故が後を絶たない中、原因の一つに「高所平気症」が指摘される。精神医学用語「高所恐怖症」の対義語的な俗語▼マンションで生活する子育て世帯の増加で、幼少期から高い場所で生活し、高所に恐怖心を抱かないことが要因。実際、総務省統計局「平成30年住宅・土地統計調査」では、県内の戸建て世帯の割合は76・8%、マンションなどの共同住宅に住む世帯の割合は20・5%で、約5分の1の世帯が共同住宅に住む計算▼ビジネスにおいて「リスクマネジメント」は広く使われているが、日常生活でもこうした考え方は必要といえる。「危険性」について一度振り返る機会も必要か。      (佑)
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