奈良県内の政治経済情報を深掘

2022.11.21掲載  コラム「而今」
 故障したコンバインを稲田から引き上げてやろうと、パワーショベルで公道を走行したことが、無免許運転であったことで法定の場で争った▼御所市内に住む男性の親切心から出た行動であったが、県から受けた処分は覆らなかった。まさかの訴え棄却。公道を走れない重機に運転免許が、本当に必要か▼男性は〝一人親方〟の建設業。県公安委員会が決定した行政処分は、2年間の運転免許取り消し。建設関連の仕事をほぼ受注できなくなった▼世の中の認識は「公道上ユンボに必要な免許」は「重量に応じた自動車免許」となぜか周知されている。どうしてもパワーショベルに大型特殊免許が必要となるのか、納得がいかない。矛盾を抱えたままだ▼工事現場で、公道を少しでもはみ出しても、無免許と判断されるのか。いったい、公道上で必要になる運転免許は何なのか、意見が分かれる▼一瞬にして、この男性のなりわいが止まってしまった。物価高倒産が巷を駆け巡っている。「一審の矛盾を抱えたままで終わらせることはできない」と、男性は控訴して判断を委ねる。    (寺)
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