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2022.10.31掲載  コラム「而今」
「明るい未来を信じてた 豊かな時代を目指してた 希望があふれてた」歌手の嘉門タツオさんが歌う「明るい未来」の一節。電話は玄関にあり黒いダイヤル式でフリルのカバーがかかっていた、習い事はそろばんに習字などの歌詞が昭和の郷愁を誘う▼円相場は1ドル150円をマーク。30数年ぶりの円安水準。ウクライナ情勢をはじめ世界に緊張が走る。一般市民の生活は不安定さを増し、物価高が追い打ちをかける▼日本経済が成長を続け、一億総中流を目指していた昭和。夢や目標や希望を持って皆が日々励んでいたことから一変、人口も経済規模も縮小を続け、国力は明らかに低下している▼「さとり世代」や「あきらめ世代」と言われる若者だが、これだけ希望が持てない世ともなれば、何もかもあきらめてしまうのは致し方ない。こんな未来を見せてしまっていることを社会の一員として申し訳なく感じる▼冒頭の歌には「街に活気があり 父は毎朝 颯爽と会社に出掛けた」とも。ともかくわれわれ現役世代が背すじを伸ばし、颯爽とするところから好転につなげたい。   (染)
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