奈良県内の政治経済情報を深掘

2022.10.17掲載  コラム「而今」
 不条理な世の中だ。何か重大なことが起こって初めて気がつき、「二度とこのようなことが無いように手だてを考えます」とくる▼後手になるケースが絶えない。9月に静岡県内で発生した、認定こども園のバス内放置では、3歳の女の子が熱中症で死亡した。悔やまれてならない▼なぜ、こんな事態になったのか。運転手の理事長がバスを降りる際に車内を確認しなかったこと。女の子が教室にいなかったにもかかわらず、クラス担任が「欠席した」と考えて、保護者に連絡しなかったことなどだ▼考えたくもない複数の単純ミスが重なった。乗車時と降車時の人数と園児名簿の突き合わせや担任による出欠確認が、おろそかにされたことは間違いない▼政府は、園の送迎バスに安全装置を義務付けることが必要であると判断、補助の上限を1台につき20万円とすることで調整している▼宇陀市教委はあす18日から月末にかけて、市内のこども園、幼稚園、保育園の6園の園児を対象に、通園バスのクラクションの位置を知り、鳴らす訓練をする。時機を得た対応だ。      (寺)
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