奈良県内の政治経済情報を深掘

2022.5.30掲載  コラム「而今」
 最近、県内の公共施設を新築したときの、決まり文句に「地元産のスギ、ヒノキをふんだんに使っています」との触れ込みをよく聞く▼価格や供給量を重視し、これまでの主流、外国産木材に代わって国内産木材の流通に舵が切られようとしているように取れる▼確かに軽くて強い、そして加工性が良い国内産材が見直されるようになり、昨年来からのウッドショックなどで木材自給率は30年前の水準(35%前後)まで回復してきているとの見方▼ただ、その一方で世界的に木材が足りなくなり、国内産木材の価格も上昇。住宅建設に大きな影響を及ぼしている。加えて新型コロナ、さらにロシアによるウクライナへの軍事侵攻が価格上昇に追い打ちをかけている▼そんな中、桜井市内にこれまでの3市場を束ねた新しい土場「ウッドメッセ奈良」が誕生した。県の木材産業の拠点として、また地方創生の観点からも期待は大きい▼用途を問わず、県内産木材が広く普及していくことが最も大事。早く世情が落ち着くことが、木材価格安定につながるはずなのだが。   (寺)
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