奈良県内の政治経済情報を深掘

2022.2.21掲載  コラム「而今」
 奈良市が建設中の新斎苑(火葬場)の土地買収額が土地鑑定額より高かったとして市民団体が損害賠償を求めた裁判の判決が確定。仲川元庸市長個人と、元地権者2人の計3人が1億1600万円余の損害賠償を負うことになったが、仲川市長の政治団体に市民らから約800万円もの寄付が寄せられているという▼判決が確定した以上、土地買収の手法をもう議論すべき段階ではない。にもかかわらずこの寄付に対しても〝プロ市民〟が、各方面で異を唱えている。これがとにかく気持ち悪い―▼選挙を経て選ばれた首長を監視することに異論はない。さまざまなネットをはじめ、個人が各方面で発信することにも異論はないが、これら善意の寄付に対してまで文句を言うのはどうか▼判決は判決で尊重し、損害賠償を支払うと明言している仲川市長を応援する勢力があってもいいし、賠償の出所が法的に問題がなければ不問だろう▼憎い相手に対しては何が何でも反対する―。これが目的になっているプロ市民の行動は、ただの感情論になってはいないか。   (染)
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