奈良県内の政治経済情報を深掘

2021.11.8掲載  コラム「而今」
 今回の衆院選で特に感じたのは、奈良3区の言うに忍び難い歯切れのなさだ。結果的に当選者の「みそぎ選挙」の色合いが強かった▼その証拠に有権者の投票行動に異変が起こった。投票には行ったのだが、白紙投票が際立って増えた。平成29(2017)年の前回選(2847票)の3倍に近い8501票もあった▼県選管の最終集計では、奈良3区の白紙投票を含む無効投票は1万4791票(投票総数の7・28%)で、これは確かに驚く数字である▼無効投票には、この「白紙」のほか「単に雑事を記したもの」「単に記号、符号を記したもの」「候補者の氏名のほか、他事を記したもの」「候補者でない者または候補者となることができない者の氏名を記したもの」の順に増えていた▼今回、当選者が不祥事で党を離党して無所属で出馬したこと、他党に有力な公認候補がいなかったことで、有権者へ響く訴えに欠いた背景があった▼白票を投じたことで、投票率は上がる。だとしても、そのことをもって政治に参加したとは到底言えるものではない。      (寺)
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