奈良県内の政治経済情報を深掘

2021.7.19掲載  コラム「而今」
 任期満了に伴う県都奈良市の市長選と市議選が幕を閉じた。5人が立候補した市長選は、前々回選と同様、現職批判の票が分散した形で、下馬評通りに現職の仲川元庸氏が他候補から逃げ切り、勝利を手にした▼仲川氏の得票率は42・34%。市民は市政の継続を選んだ。問題視されている火葬場の土地取得額の是非や、多選などへの批判は一定数あったものの、他候補がそれらの受け皿になりえなかった。受け皿が一本化できなかったことで、告示前から勝負ありの様相だった▼この市長選の一部立候補者には、衆院選の立候補に向け県議辞職に伴う補選をにらんだ動きがあると各党が見ている。市長選での戦い方や票の出方などを県議補選にフィードバックしようという算段▼県議補選の〝本番〟に向け市長選を宣伝の場に使ったことがこの先現実になれば批判は避けられない。有権者への冒涜と言える▼有権者はやはり、政治家の日常を見なければならない。この先の衆院選、県議補選と控える中、どの政治家がどんな態度を取るのか、今後も注視する必要がある。 (包)
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