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2021.5.31掲載  コラム「而今」
 今、あの少年Aはどうしているのだろうか。当時14歳だったのだから24年の歳月が流れ、38歳になっていることには間違いない▼平成9(1997)年5月27日に神戸市の中学校正門前で発覚した「神戸連続児童殺傷事件」の「酒鬼薔薇聖斗(さかきばらせいと)」こそ、少年A。おぞましいとしか言いようのない事件だった▼平成17(2005)年1月に少年院を退院し、社会に戻ってきているが、それ以降の元少年Aの行方は杳(よう)として知られていない▼18、19歳は民法上成人となることに伴い、「特定少年」と位置付けて17歳以下と区別し、一部で厳罰化の規定を盛り込んだ「改正少年法」が、参院本会議で可決、成立したばかり。家裁が検察官に送致(逆送)する対象を「死刑、無期、懲役または禁錮1年以上の犯罪」に拡大した▼また、少年の更生を妨げるとしてきた氏名や顔写真などの報道も18、19歳については、検察が起訴すれば解禁となる▼施行は来年4月1日からだが、厳罰化されることにより、おぞましい事件の減少につながればいいのだが。      (寺)
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