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2021.2.8掲載  コラム「而今」
 「ハンコ」には、印鑑証明書のいる実印に銀行印、日常の事務手続きに押す三文判があり、使い分けてきた。ほかの国にはない「ハンコ文化」が根付いている国が日本だ▼ところが、新型コロナウイルス感染症拡大で、日本独特のハンコ文化を変える機運が。感染を防ぐために在宅勤務を進めても、書類へ押印するために出社を余儀なくされるケースが多いからだ▼「脱ハンコ」を唱える河野太郎・行政改革相は、さまざまな行政の手続きを紙の書類から、オンラインに移行していくことに躍起。手続きの申請者が間違いなく、本人であることを確認することが最も大事とも▼経済産業省は、デジタル化への取り組みが遅れている中小零細企業向けの補助金や給付金などの申請手続きを、令和5年度までに全国的に電子化する方針を固めた▼デジタル化への時代の流れは止められない。自分にとって必要な手続きを官民問わず、一つのサイトからできれば便利なのは当然▼パスワードから顔認証へ。ただ、根付いてきた「ハンコ文化」を悪者だけにはしてほしくない。(寺)
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