奈良県内の政治経済情報を深掘

2020.9.28掲載  コラム「而今」
 最近、子どものゲーム障害が深刻化している。新型コロナウイルス感染症による外出自粛規制などが、とくに影響を与えていると見られる▼ゲーム障害は、アルコール依存やギャンブル障害の患者でも確認できる同様の脳に起こる異常反応。ゲームを見ると「したい」「遊びたい」と衝動的な欲求に襲われる。▼子どもにゲーム障害が起きると、朝起きられない、昼夜が逆転、欠席、ひきこもり―の兆候がはっきりしてくる。それが退学・放校へと向かい、物を壊したり家族に対する暴力が表面化。家庭崩壊にもつながりかねない▼昨年、依存症対策全国センターが全国9000人の10歳代、20歳代を対象にした調査によれば、過去1年間に9割の人がゲームにはまり込んでいたことが分かっている▼県内では、子どものゲーム障害の実態調査結果は報告されていないが、ゲームの時間が長いほど、社会生活や健康面に問題を引き起こしやすいことは明らかだ▼ゲームとの距離を適度に保つためには、家庭内のしつけと、親自身がゲームにのめり込まぬよう注意が必要だ。(寺)
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