奈良県内の政治経済情報を深掘

2020.5.4掲載  コラム「而今」
 今年のゴールデンウイークほど、行動範囲を極端に狭まれたことはないだろう。「三密」を避け、何処へ行っても規制がかかる。近場でも▼それは仕方がないとしても、新緑のまばゆい候、野外へ出ていきたくなるのが人情でもある。せめて標高300㍍前後の低山登山なら、スローペースで歩けばマスク掛けでも苦にならないだろう▼そんな条件にぴったりなところがある。王寺町の新興住宅地に近い明神山がそれ。先日のNHK総合テレビ番組「ブラタモリ」で紹介されたばかり。参道鳥居から徒歩で山頂まで1・8㌔、約40分の距離▼山頂の展望デッキからは、360度の大パノラマがひらける。奈良・大阪・京都の山々、古墳群はもちろん、あべのハルカスや天候に恵まれれば明石海峡大橋も眺望できる▼ここでは、少しの時間だけマスクを外して遠慮がちに空気を吸った。そして、気を取り戻して遠くの山々を見ながら、手を合わせて祈りの言葉を吹きかけるのである▼そのひと時の貴重な時間を得た小子。「いつの日かマスクを投げ捨て、ともに笑顔であいさつを交わせるハイキングが来ますように」と。   (寺)
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