奈良県内の政治経済情報を深掘

2020.3.30掲載  コラム「而今」
 感染の拡大を続ける新型ウィルスの脅威に、刻一刻と変化する状況やその対応策についての記者会見が連日開かれ、新聞やテレビでその報道が続いている▼その中で「オーバーシュート重大局面(感染爆発重大局面)」と書かれたフリップを持ちながら「ロックダウン(都市封鎖)」「クラスター(感染拡大)」などといった横文字を立て続けに使用した小池百合子・東京都知事の会見があった▼このカタカナ文字の多用については、ネット上でも論議を呼び、河野太郎防衛相が自身のツイッターで「なんでカタカナ?」と投稿すると、24万件以上の「いいね」がついた▼日々脅威が増す人類と新型ウイルスの戦いのまっただ中、行政トップは誰しもが理解できる言葉を選択して発信すべきだ。「意味がわからない」と、都庁に問い合わせがあれば、職員の負担になる想定をしていない▼小池都知事の独りよがりか、驕(おご)りと言うべきか、違和感しか残らない会見になり、大事なことが都民に伝わっているか疑問が残る。「都民ファースト」とは何だったのか。(梅)
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