奈良県内の政治経済情報を深掘

2020.3.23掲載  コラム「而今」
 米国アップル社のスマートフォン「iPhone」を発売したのが平成19(2007)年のことだ。この10年で技術革新も飛躍的な進化を遂げ、現代人の生活になくてはならないものの一つになった▼奈良市歴代の市長が悲願としていたごみ焼却場の移転建設が、大和郡山市との市境近くの七条地区で計画されている。奈良市は将来、広域で事業をやっていきたい考えだ▼地元の説明会では、隣接する大和郡山市の九条地区から「学校や病院が近く、七条地区での建設は反対」などとの声が出たようだが、すぐ近くには大和郡山市のごみ焼却場がある▼ごみ焼却場は公害など、いわゆる「迷惑施設」として扱われてきた。しかし近年、建て替えなどを行った全国の先進地などでは技術革新の恩恵を受け「もはや迷惑施設ではない」との意見もある▼奈良市の計画も最新式。少なくとも大和郡山市の既存のごみ焼却場よりクリーンになることは間違いない。事業推進のための市の丁寧な説明はもちろん、建設反対の根拠も理路整然とせねば、旧態依然の議論のままだ。 (包)
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