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2020.1.6掲載  コラム「而今」
 令和2年が明けた。お屠蘇(とそ)気分が冷めやらぬ間に、けたたましい足音はそれぞれの仕事場へと向かう▼今年は十干十二支の「庚(かのえ)子(ね)年。十干の庚は「陽の金」、十二支の子は「陽の水」。庚子は雌株と雄株の2本の松が寄り添って生え、1つの根から立ち上がるように見える「相生(あいおい)」の松に例えられる▼相生の松は、とくに縁結びや和合、長寿の象徴で、兵庫県高砂市の高砂神社の松が有名。能『高砂』では、高砂の松と住吉の松とが相生の松であるとし、夫婦和合をうたっている▼杓子(しゃくし)定規に働き方改革が叫ばれる。が、相手を思い合い、相手の立場に立って物事が進められるのかどうか。この相生の松に置き換えて自分自身を見つめ直すことも大切▼始め良ければ全てに渡ってスムーズに事が進む。逆に始めにつまずくと、元の軌道に戻すのに時間が掛かりすぎるだろう▼庚子の年の仕事始めは、部下の意見に耳を傾けながらも、実体経済に活路を見出すためのアクセルを踏み込むチャレンジ精神は忘れてはならない。     (寺)

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